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CELSYSのComicStudioをはじめとしたデジタル漫画のネタを中心に…

周辺機器の調整・カスタマイズ(1)

起動したら取り合えず落書きしよう!

…というアプローチは、おそらく多くのComicStudio使いの方のブログやHowToで書かれていることだと思いますので、あえてちょっと外したネタにしてみます。


ペン軸が長すぎたら折ればいい。定規にエッジが無けりゃ一円玉貼ればいい。
ComicStudioだって、自分が一番使いやすいようにカスタマイズすりゃいい!


…というわけで、ComicStudioを使いやすいようにカスタマイズします。


では、ComicStudioでカスタマイズできる所って何処でしょうか?

  1. 周辺機器の調整・カスタマイズ
  2. キーボードショートカットの設定
  3. ComicStudioのパレットのレイアウト
  4. 環境設定のチューンアップ


さて、順番に……

(1)周辺機器の調整・カスタマイズ

ComicStudioでマンガを描く上で一番重要な周辺機器は、なんと言っても「タブレット」でしょう。

WACOMのIntuos3やCintiqなら、アプリケーション単位で色々と細かい設定をすることが出来ます。
特にスタイラスペンのボタンとタブレットのファンクションキー・トラックパッドの設定がキモです。

ComicStudio専用のチューニング・Photoshop専用のチューニング・SAI専用のチューニングなどなど、頻繁に使うアプリケーションは、専用の設定を行っています。

ComicStudioの場合は、こんな感じにしています。

当然のことですが、ここで紹介する設定は、あくまで私にとって一番使いやすい設定なので、他の人が使いやすいかどうかは判りません。もしかするとむしろ使いづらいかも…… 色々と割り当ててみて実際に試してみて、手ごろな設定を見つけてください。

●ペンのサイドスイッチの設定

たぶ1

サイドスイッチ下を「色換え」のショートカットに、サイドスイッチ上を「取り消し」(Undo)のショートカットにしています。
ペンで描いている最中に、キーボードで「Ctrl+Z」を押さずに「取消し」出来ると、とても作業が楽です。
また、部分的に線を消したいときは、消しゴムを使うのではなく、サイドスイッチで「透明ペン」に切り替えて描く方が効率がいいかな、と思ってます。

●ファンクションキーの設定

たぶ2

Intuos3の「ファンクションキー」と「トラックパッド」は最強です。Intuos2から3に切り替えたのは、この機能があるからと言ってもいいかも。

  • 左側
    • 「パース定規にスナップ」
      背景描きの仕事をやってたとき、ComicStudioのパース定規は最強です。でも、実際の作が作業だと、パース定規にスナップされたら困る線も多いので、必要に応じてパース定規のOn/Offが任意に出来るほうが遥かに便利です。
    • 「保存」
      まめに保存はデジタルの鉄則。ここに設定してますけど、実際は「Ctrl+s」でセーブしているほうが多いかも…

    • 「表示左右反転」
      私はデッサン力に自信がないので、左右反転表示させて狂いのチェックをします。頻繁に行うので登録してます。
    • 「通常表示」
      左右反転・画面回転をした後に、一々ツールバーの通常表示ボタンをクリックするのが、案外面倒。
      意識せずに回転しているときもあるので、割と無意識に押して戻せる状態にしてます。
  • 右側
    • 「選択範囲解除」
    • 「選択範囲反転」
    • 「全体選択」
      これは、カスタムツールバーと「ゲームパッド」に登録しているから、いずれ変更するかも。「ゲームパッド」を使った業は別記します。(周辺機器の調整・カスタマイズ(2)に記載
    • 「装飾キー:Shift」
      Intuos3の「キーストローク」はShiftを認識してくれないので、ここに入れています。
      ここに入れている理由は、「トラックパッド」と関係があります。
●トラックパッドの設定

たぶ3

トラックパッドは、通常は「スクロール」や「ズーム」に割り当てます。
左側のズームは「キーボードショートカット」でのズームです。ズーム率は環境設定に応じたズームです。
ここのプルダウンメニューの「ズーム」を選んだときは、妙なスクロールが入る時があります。その挙動が好きじゃないので、純粋に表示上のズームだけしてくれる機能が欲しくて、「Ctrl+NUM(+)」と「Ctrl+NUM(-)」を割り当てました。

右側は「ズーム」にしていますが、ここは単なる「ズーム」としての機能ではなく、先の「右側の装飾キー:Shift」と組み合わせることで、「画面の回転」が出来るようになります。

このネタはComicStudio公式コミュでも書いたネタですので重複してますが、せっかくなので掲載しておきます。

タブトラックパッド設定例1
タブトラックパッド設定動作例

じつは「Space+Shift」で回転させることが多いので、あまり使っていないんですが、Cintiqを使っている人で、あまりキーボード併用できない人にはちょっとお薦めかもしれません。
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「新規作成」は「テンプレート」で!

初起動の時に開いていたページは保存せずに閉じて、新しく任煮のサイズの原稿用紙で「新規作成」をすることにします。

ComicStudio「ファイル」→「新規作成」を選ぶと、「ページ」「作品」の二つがあるのがわかります。
  • 「ページ」
    一枚の原稿用紙を用意して描きます。

    「寸法指定」か「用紙テンプレート」を選び、「新規ページ」を作ることが出来ます。
    一ページのイラスト・カットを描く場合はこちらで十分でしょう。

    「作品」で設定できる「作品情報」・「作者情報」・「ページ番号」・「ノンブル」などの設定が出来ません。
     
  • 「作品」
    複数の「ページ」を同じ設定で用意して描きます。

    「寸法指定」か「用紙テンプレート」を絵倍、「用紙の設定」を選び、「総ページ数」・「綴じ位置」・「開始ページ」・「ページ構成」を選んで「新規作品」を作ることが出来ます。
    「作品情報」・「作者情報」・「ページ番号」・「ノンブル」などを任意に設定することが可能。
    複数ページにわたる漫画を描く場合は、通常はこの「作品」を選びます。

●寸法指定の各項目の解説


「寸法指定」の項目から、それぞれの項目の意味することを理解しておきましょう。

新規作成詳細


  • 「基本情報」
    原稿が持つ基本情報。
    【注意】後で変更不可能なので注意。
    • 基本解像度
      製作する画像の解像度の設定。
      モノクロ原稿作成の場合は、通常600dpiか1200dpiを選択。
      (カラー原稿作成の場合は、350dpiが一般的。)
           →解像度についての詳細は別記予定
    • 基本表現色
      「モノクロ」か「カラー」かを選択するが、「モノクロ」を選択しても「カラー」で描けます。
      製作する現行の種類に応じて選択すればOK。
  • 「用紙サイズ」
    文字通り用紙そのもののサイズ。
    【注意】後で変更不可能なので注意。
    • 単位
      「cm」…センチメートル
      「mm」…ミリメートル
      「in」…インチ(1インチは約2.54cm)
      「px」…ピクセル(解像度に依存)
      「pt」…ポイント(1ポイントは約0.35mm)

      なお参考までに…
       600dpiの時は1pixel≒0.04233mm
       1200dpiの時は1pixel≒0.02117mm

      参考サイト:「印刷用単位の換算表」(byTRO庵
    • 幅・高さ・(B4/B5/B6/A3/A4/A5/A6/ハガキ/カスタム)
  • 「仕上がり枠」
    内寸項目。
    一般的には印刷仕上がりのサイズ。
    断裁される実寸と考えてもOK。
    実際はズレが生じることも考慮する必要があり、そのために「裁ち落とし枠」を設定します。
    • 幅・高さ・(B4/B5/B6/A3/A4/A5/A6/ハガキ/カスタム)
  • 「基本枠」
    いわゆる漫画の「基本枠」。
    一般的にはB4では18×27cm・A4では15×22cmということで定着しています
    • 「サイズ指定」選択時
      幅・高さ・(B4/B5/B6/A3/A4/A5/A6/ハガキ/カスタム)
      オフセットX…水平方向に移動
      オフセットY…垂直方向に移動
    • 「マージン指定」選択時
      天・地・ノド・小口・(B4/B5/B6/A3/A4/A5/A6/ハガキ/カスタム)
  • 「裁ち落とし枠」
    断裁時に紙のずれが発生したときの予備の領域。
    「断ち落とし」「断ち切り」「塗り足し」「ドブ」などと呼ばれています。
    DTP業界では、仕上がりから3mm程度外側にとることが多いようです。
    漫画では、断ち切り描画の時に、「仕上がり枠」+「断ち落とし枠」まで描いておくようにしましょう。

●新規作成は「テンプレート」で!

あらかじめこれらの数値を設定済みの「用紙テンプレート」を選ぶと、汎用的な原稿用紙を設定することが出来ます。

デフォルトの設定の中から、自分が使いたい設定を選ぶのが一番早いでしょう。

よく判らない場合は、B4用紙に描くのなら「投稿用用紙」を、同人誌用の原稿なら「同人用紙」を選び、その中から好みの設定を選ぶのが比較的汎用性が高い方法でしょう。

●自分専用のテンプレートを作る

何本か作品を描いていると、自分にとって一番使いやすい「原稿用紙」を用意したくなります。
ComicStudioの場合は、それを「ユーザー」の「用紙テンプレート」として登録することが出来ます。

私の「ユーザー用紙テンプレート」はこんな感じになっています。

用紙テンプレート


自分の作業手順上、毎回必ず用意するレイヤーは、あらかじめ作っておきます。

  • 「描画領域」
    種類…………ガイドレイヤー
    • 外トンボに合わせてガイドを用意して、レイヤーロック
  • 「描画領域枠」
    種類…………ラスターレイヤー
    出力属性……仕上げ
    表示色………カラー
    • 外トンボよりも外のエリアを白で塗りつぶして、描画領域が確実に判るようにしたレイヤーを用意しています。
    • 通常表示色を「カラー」にしただけでは、「白」は「白」のままで表示されますが、「白」の表示色を別の色にしておくことで、「枠外の不要エリアを明示する」ことが可能です。
    • このレイヤーを、常に最上位においておくことで、断ち切りにベタや濃いトーンを使ったときでも、トンボが消えずに済みます。
    • このレイヤーもロックしておきます。
  • 「下書フォルダ」
    種類…………レイヤーフォルダ
    • パレット色を変えています。
  • 「下絵(Raph)」
    種類…………ラスターレイヤー
    出力属性……下描き
    表示色………カラー表示
    • 下絵用のレイヤーは必ず必要なので、初期状態で用意しています。
早かれ遅かれ「プロパティ」パレットの表示の意味をきちんと理解しておく必要があるので、後ほど整理して別記します。

●自分用の用紙テンプレートを登録しておく

まず「ファイル」→「新規作成」→「ページ」で、欲しい設定の新規ページを作成します。
その後、必要なレイヤーを作り、プロパティなどを変更してベースになるページを作ります。
最後に「ファイル」→「テンプレートとして登録」を選びます。
「用紙名」や「メモ」の設定をして登録すれば、いつでもこの用紙が呼び出せるようになります。

あらかじめ「枠線定規」や「フォルダ」が生成された状態で「作品」が用意されるので、作業の省力化を図ることが出来ます。
時間に切迫した状態で仕事をする場合、こういうちょっとした「省力化」が大きな差となる事もありますので、使える便利な機能はどんどん使っちゃいましょう!

初起動?!

初起動時には、シリアルナンバーの入力が求められます。

バージョンアップ版の場合は、旧バージョンのアプリケーションディスクに入れ替える必要があります。ちょっと面倒ですが初回起動だけですのでガマンしましょう。

起動直後にこんなアラートが出ます。

初期UIモード選択


「初期UIモード選択」って書いてます。

Ver4で採用された「ビギナーズアシスタント」という機能を使うかどうかという選択です。

初心者の人は「ビギナーズアシスタント」を使ったほうがいいのかなぁと思うかもしれませんが、本音を言っちゃいます!

「ビギナーズアシスタント」は使わない方がいい!

使いこなしたいと思うなら、最初から「スタンダードインターフェイス」を使ったほうが絶対に得策です。

詳しい理由はいずれ書こうと思いますが、取り合えず本気で使いこなしたいと思うのなら、「スタンダードインターフェース」を選択しましょう!

「ComicStudioムービーガイドを表示します」は、ブラウザで見るFlashベースの使い方の解説です。機能を把握する意味で一通り見ておくのも手です。
どうせ見るなら、実際に操作しながら確認するほうがいいですね。

なお、「ビギナーズアシスタント」を使うかどうかは、後で変更できますし、ムービーもいつでも見ることが出来るので、まずは普通に「起動」しちゃいましょう!

そして起動直後の画面はこんな感じです。

初回起動デスクトップ


いきなり白紙のページが一枚出来ています。

ComicStudioは、紙のサイズをあとから変更できませんので、いきなり1ページ作られても困りますが、せっかく用意してくれたので、ちょろっと落書きでもして使用感を確かめてみてください。

素材のインストール

ComicStudioのEXモデル・Proモデルには素材がたくさん収録されています。何しろ素材見本が厚さ一センチほどの本になっているくらい!

でも、普通にインストールしただけでは素材はインストールされません。

●素材はインストールしなければ使えない!

せっかくたくさん素材が付いているんだから、ディスク容量に余裕があるのなら、やっぱりインストールして使いたいですね。

アプリケーションのインストール後のComicStudio初回起動時にこのようなアラートが表示されます。

素材インストールアラート


ここで「素材をインストールする」をクリックして指示に従います。

「インストールする素材CDをセットしてください」という表示アラートが出たら、「アプリケーションディスク」「素材ディスク」「サンプルディスク」を挿入して、「CDからインストール」をクリックします。

素材のインストールは、相当時間がかかりますので、ご注意を!


●「素材のインストール」では「PowerTone3 for ComicStudio素材」と「フォントパック」はインストールされない

この二つは、前述の「素材をインストールする」ではインストールされません。
手動でインストールする必要があります。

■「PowerTone3 for ComicStudio素材」のインストール

PowerToneのインストールは、PowerToneのディスクを挿入して、「Installer.exe」を起動させて行います。

PowerToneインストールアラート


「フォルダの参照」ダイアログが表示されたら、挿入したディスクを選択します。
ドライブ番号は環境によって異なりますが、「CS4PT」を選択すればOKです。

PowerToneインストール2


「インストールするファイルを選択」ダイアログが表示されたら、図の様に「300dpi」「600dpi」「1200dpi」「グレースケール」が右側になっていると思います。

PowerToneインストール3


このまま「OK」を押すと、すべての解像度の素材がインストールされますが、不必要なものは「削除<-」を押せばインストールするファイルから外せます。

ディスク容量に余裕があれば全部入れてもいいですが、あまり300dpiは使わないんじゃないかと…

別売りの素材集をインストールする場合は、素材ディスクにインストーラーがないため、「PowerTone3 for ComicStudio素材」の「install.exe」をデスクトップにコピーする必要があります。

ComicStudio上でのPowerToneは、個人的にはさほど使用するメリットを感じないので、まだ詳しく理解できていませんので、もう少し判ってから書こうと思います。

■「フォントパックVol.1」のインストール

一般的に商業漫画で使われているフォントは、漢字を太ゴシック体・ひらがな・カタカナをアンチック体または太明朝体にした組み文字を使っています。

たとえば、イワタの書体だと「イワタアンチック体」という組見本が用意されています。
写研書体の場合は、「石井太ゴシック」と「中見出しアンチック」の組み文字、モリサワの場合は「太ゴB101」と「アンチM」の組み文字だそうです。
(参照サイト:「有限会社 双葉写植」

ComicStudioでも、「組み文字」を作ることは可能ですが、ProとEXにはいわゆる「コミックフォント」が最初から入っています。

商業誌の場合は、特別必要というわけではありませんが、仕上がりのイメージを確認する上でも、また、同人誌を作る人にとってはより「らしい」画面を作る上でも、「ComicStudioフォント」はぜひインストールすることをオススメします。

特に「外字」は見逃せません。
!!」や「!!!」、「!?」というフォントを再現するためには、「縦中横」を使うとか、ラスタライズした画像にするとか、ちょっと変則的なことをしなければ出来ませんでしたが、「ComicStudio-EXP」という外字フォントを入れると簡単に使えるようになります!。

CSEXPフォントリスト


インストールの方法は、「素材ディスク」の中の「Font」フォルダの中身を、WindowsXPの場合、「コントロールパネル」→「フォント」フォルダの中に、ドラッグ&ドロップでコピーすればOKです。
「フォント」が見つからない場合は、コントロールパネルの表示を「クラシック表示」にすれば見つかるでしょう。

フォントリスト

インストール

入手したら、当然すぐにでもインストールしたくなっちゃいます。
初音ミクの場合は「パッケージずっと見つめてる」って事になるかもしれませんが…

電化製品にしろなんにしろ、一番最初にやるべきことは「同梱物のチェック」です。
不足分が無いかのチェックも当然ですが、あとで参照する必要がある重要書類もあるので、把握しておくべきです。

パッキングリスト


私の入手したモデルは、EXのバージョンアップ版です。
クローズドβテストに参加した関係で、CELSYSさんから発売前に送っていただけました。

さて、インストールですが、いきなりディスクを入れたりしないで、まずは「はじめにお読みください」を簡単でいいので一読しましょう。

インストールの手順もきちんと書いてますので、これに従うのが一番安全です。

アプリケーションのインストールをやった事があるとさほど問題はありませんが、インストールフォルダはきちんと把握しておいてください。

デフォルトは大抵「C:\Program Files\CELSYS\ComicStudio4○○\」です。
(○○にはEX、Pro、Debutが入っているはず)

デフォルトのままインストールするのが一番トラブルが少ないと思われますが、必要に応じて別ドライブや別のフォルダにインストールする必要があるときには、ちょっとだけ注意です。

このデフォルトフォルダを変更すると、後のアップデートプログラムのインストール時にエラーが出ることがありますので、きちんと把握しておく必要があります。

詳しくはComicStudioのテクニカルインフォメーションにも記載されていますので、ご参照ください。
「ComicStudio4.0にアップデータがインストールできないのですが?」